▽装備費用の増加は各国共通
国防予算の3つの部分のうち、最も関心を集めているのは装備費用である。彭光謙氏は、装備費用の増加は各国共通の現象であり、今後も同じ傾向が続くと指摘する。周辺諸国のうち日本は、ステルス戦闘機「F-35ライトニングⅡ」42機の購入を計画している。フィリピンは、海軍フリゲートなどの武器装備の発展に18億ドルの予算を計上している。インドネシアは、韓国製の潜水艦と米国製の攻撃ヘリコプター「アパッチ」を購入して島嶼付近に配備することを計画している。
装備の近代化が進めばコストは高まる。航空機や艦艇、戦車を配備するには、数千万元から数億元かかる。新式の艦艇や戦闘機の配備を進めている中国はそのための経費を必要としている。
▽国際的責任を担うのにも軍事費が必要
中国の国防予算の増加を国際社会がより客観的・理性的に見られるようになったのは、中国軍が近年、国際的な責任をより多く担うようになったためである。国防費はそのためにも不可欠となる。
中国軍は2008年から、国連の規定に基づき、アデン湾海域での船舶護衛を日常的に行っている。この任務にあたった軍関係者も、船舶の護衛には軍事費の保障が必要だと指摘している。燃油は1トン平均7000元。3、4カ月の護衛任務には最低でも1000トンの燃油が必要で、燃油費だけで700万元から800万元に達する。護衛艦隊での長期的なパトロールには、軍艦1隻だけでも年間平均3000万元の燃油費が必要となる。その他の物資や人員にもさらに費用がかかる。軍事費の引き上げは、中国が国際的な責任をより多く担うようになったことに呼応するものだ。大国の責任を果たし、国際的な義務を負うには、近代的な軍備と先端技術が不可欠となる。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年3月8日