■日本のランニング文化は女性から起こった
日本にはランニング文化が根付いている。どの日本人の周りにもランニング愛好者はかならず存在し、ランニングブームはすでに40年近くも続いている。上海のマラソン大会に何度も参加している日本のマラソン愛好者の松野さんは、「第2次世界大戦が終わった後、日本は奇跡的な経済発展を遂げた。しかし、1980年代頃から多くの中年層、特に家庭の主婦のストレスが大きくなった。主婦たちは最初の頃は暇な時間にランニングをして、溜まっているマイナスの感情を発散させていたが、徐々に走ること自体が健康や気持ちの上で極めて大きなプラスの影響を及ぼすことに気付いてきた」と語る。松野さんの母親もそのうちの一人だったという。
日本の元テニスプレイヤー、毎年マラソン大会にも参加している伊達公子さんは、「日本のランニングブームの初期は女性中心だったこともあり、日本人女性にはランニングの伝統がある。男性は、後になって、徐々に参加するようになった」として、日本のランニング文化の発端は女性にあるという見方を示した。また、「日本人、とくに女性は『忍耐力』に優れている。忍耐力と意志力が最も直接的に影響するスポーツであるマラソンはまさに日本人女性に適している」と語る。
現在、中国のおばさんは「広場舞」を踊り、日本のおばさんはランニングに夢中になっている。同じ年齢層でも、両国には異なる健康文化が生まれている。ちなみに日本のランニング愛好者の中では、現在20~40歳の女性が一番多い。