中国の製薬業界は「爆買い」の原因究明を
中国人観光客が海外で医薬品を「爆買い」していることに関して、上海中医薬大学付属龍華病院の史秀峰・薬剤科副主任は、「日本、韓国の漢方薬の多くは、伝統ある中国医学を起源としている。子供用の薬については、フルーツの香りがしたり、アニメキャラクターが描かれたりしているというのは、今に始まったことではない」と中国にも同様の商品があることを指摘しながらも、「日本や韓国などで漢方薬が人気となり、その原料の多くが中国から輸入されている。そして、中国に比べて、製薬技術も優れており、純度や残留農薬、さらに薬の効果の面でも、優位性を誇っている」と、中国の製薬業界は一層努力する余地があることも指摘している。
さらに市場における宣伝という面においても、中国の製薬会社は日本や韓国に学ばなければならない。中国の製薬業界は医薬品を売ることだけに重きを置き、長期にわたって宣伝を行ったり、ブランド力を高めたりするという意識に欠けている。専門家は、「板藍根は風邪の予防に、雲南白薬は止血に…」、こうした有名な薬は、中国の多くの家庭の必需品となっている。しかし、中国において国民のだれもが知っている薬は数少ない。病院や製薬会社は、共に市場のポテンシャルを発掘するほか、製薬技術の向上や宣伝に努めて、高まる市場の需要を満たさなければならない」と指摘している。