先週末、微信(WeChat)のソーシャル機能・モーメンツに、「月収8千元(約15万2千円)で、北京でどうやって暮らせば良いの?」という投稿があった。社会保険料、家賃、食費、交際費、両親への仕送りなどを差し引くと、8千元の給料がわずか384.9元(約7300円)しか残らなかったという。しかも、これはかなり「切り詰めた」生活を送った場合だ。人民日報が伝えた。
筆者の友人の多くはこの投稿を転送しただけで何のコメントも添えていなかったが、週末のモーメンツには、自嘲気味の共感とやるせなさが漂っていた。
投稿者の計算は突飛なケースではなく、合理的と言えるだろう。北京・上海・広州などの特大都市は確かに生活コストが高く、稼ぎも多いが支出も多い。それは、東京やニューヨークといった世界の他の特大都市でも同じことだ。大都市に住むのはたやすいことではない。食費も家賃も交際費もかさむ。そこには、人口の密集と資源の不足という矛盾が隠されている。大都市にはチャンスもあふれているが、競争も熾烈だ。発展の可能性は大きいが、「北京・上海・広州は涙を信じない」という残酷さとも隣り合わせだ。「人の集まるところにお金が集まる」効果も期待できるが、「大木の下に小木育たず」という現象も見られる。多くの人にとっては、北京・上海・広州を脱出するというのも、経済学的に見て理性的な選択なのかもしれない。収入と生活コストを比べてみると、他の都市の方が割が良い場合もある。故郷に帰って仕事を続けることの「コストパフォーマンス」も、近年確かに高まっている。どの橋からでも川を渡れるのに、一番混んでいる橋に突っ込んで行く必要はない。
しかし、投稿者の計算には問題点もある。まず、これはある時点に限定した静的な計算結果であり、将来的な収入の増加分を計算に入れていない。卒業したての大学生は、どこで就職したとしても最初のうちは労働力としての価値がそれほど高くないため、「生活に苦労する」時期があるものだ。5年単位、あるいは10年単位で見てみるとどうだろう?北京・上海・広州はチャンスも多いため、ステップアップできる人も多い。創業に成功する人、管理職に就ける人、お金をこつこつ貯めて、資産運用を始める人――。仕事を始めたばかりの頃は辛いかもしれないが、それほど心配しすぎる必要はない。