読書のソーシャル化が進む
同調査結果に、関連の専門家は、微信が読書の主要な手段となっているのを背景に、読書のソーシャル化が新たな動向となっていると見ている。
清華大学(北京)の「新メディア指数」(http://www.gsdata.cn)研究チームの追跡調査では、微信の投稿の内容は、手軽で、シンプルで、短いという特徴があり、短い動画や、音楽付きの文章など、そのスタイルは多元化されていることが分かっている。全体的に見て、浅く、軽く、広く読むというのが主体となっている。同チームの責任者によると、「微信のパブリックアカウントのうち、70%が趣味用のもので、そのうち文化のジャンルは15%となっている」。
一方、中国新聞出版研究院出版研究所の徐昇国所長は、「微信において、特集も増加し、網羅的な内容を系統立てて読むという種類のものも登場している。伝統ある雑誌の公式アカウントでは、何万字にも至る研究分析報告も投稿されている」とする。「新メディア指数」チームの責任者も、「現在、比較的人気となっている公式アカウントは、独特の観点を有していたり、なにかを深く分析したりするアカウントで、世間で話題になっていることをテーマに、的をついた文章で、ユーモアを混ぜながら紹介している」と分析している。
北京大学情報管理学部の王余光教授は、「世界の図書館は以前、『世界の至る所に本がある』という理想を掲げていた。しかし、その理想は21世紀になっても完全には実現していない。現実はというと、携帯の普及率が書籍を上回っている。そのため、携帯を利用した読書や微信の閲覧などを通して、その理想を実現するほうが容易だろう。図書館の普及率が依然として非常に低いという現状において、このような方法が、図書館不足をある程度補ってくれる」との見方を示す。