微信に依存すると深く考えることをしなくなる
王教授は、「私の観点からすると、微信は我々の時間を奪いすぎている。若い学生は多くの時間を微信に使い、過度に依存してしまっている」と懸念する。
中国新聞出版研究院の魏玉山院長は、「微信の閲覧は断片的なもので、不確実なものが多く、間違っている場合さえ存在する」とし、「現状では、微信だけを通して知識を得るというのは絶対に不可能」と警笛を鳴らす。「新メディア指数」の研究でも、微信に投稿されている内容は雑駁で、非科学的なものやデマ、コピペ作品などが出回っている。同研究チームの責任者は、「このような状態が続くと、オリジナル作品や科学普及のコストが増大し、微信の公式アカウントのオリジナルコンテンツが減少し、微信のコンテンツの価値も下がってしまう」との懸念を示す。
王教授は、「児童の読書や学術書、伝統的な書籍などは、やはり紙の本を読んだほうがいい」とし、「微信の主な機能は娯楽、閲覧。児童は、微信を利用した読書を出発点にしてはいけないと思う。子供は、微信を通して何かを読んでも、集中して読むことができず、良い読書習慣を身につけることができない」と指摘している。また、「学術上の著作や伝統的な著作なども紙の本で読んだほうがいい。紙の本でなければ、読みながら、考えるということができない。断片化されたものを読んでも、浅く考えることしかできない。そうなると、人は怠惰になり、深く何かを考えることを避けるようになる。特に、専門的な研究を行っている人にとっては、非常に悪い習慣」との見方を示している。
実際には、微信の閲覧に関する研究は今のところそれほど進んでおらず、王教授は、「読書心理学をもっと研究しなければならない。読書の方法が変わっている状況下で、他にどのような変化が起きているのか、微信という環境で、どうすれば有益な読書ができるのかを研究しなければならない」としている。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年4月22日