今年2月12日、吉林省延吉朝陽川空港から韓国仁川国際空港(ソウル)に向かう予定だった韓国アシアナ航空OZ352便が離陸しようとした際、乗客が無断で緊急時用の非常口を開け、スライド・ラフトが自動展開したトラブルで、11日午前、吉林省延吉市人民法院(裁判所)において、容疑者に対する審理が始まった。「危険な方法で公共の安全に危害をもたらした罪」で起訴されたのは韓国籍の朴被告。乗客が無断で非常口を開けた問題が裁判所で審理されるのは、中国で今回が初めて。人民日報が報じた。
中国民航公安部門の統計によると、今年1月から今に至るまでに、昆明や重慶、呼和浩特(フフホト)、南京、延吉、長春、深セン、烏魯木斉(ウルムチ)、鄭州、騰冲などで、乗客が無断で非常口をあけるトラブルが12件発生。航空機の安全が脅かされ、正常な運航に影響が出るなど、大きな問題となっている。
2月12日にOZ352便で起きたトラブルでは、アシアナ航空が直ちに民航吉林空港公安局延吉空港公安分局に通報し、公安当局が朴容疑者を10日間勾留した。同トラブルにより、OZ352便は出発時間が4時間遅勾留したれ、3万4000元(約64万6千円)の直接経済損失が発生するなど、同空港の運営秩序に大きな影響が出た。同月21日、同公安局は要訴追事件として提起し、23日に延吉市人民検察院に対して、朴容疑者の身柄拘束の許可を求めた。そして、3月5日、同検察院の許可を得て、同公安局は「危険な方法で公共の安全に危害をもたらした」として朴容疑者を逮捕した。同月13日、朴容疑者は移送され、起訴された。
中国の「民用航空安全保衛条例」の第十六条と第二十五条は、空港や機内において禁止する行為を明確に規定している。機内で禁止されている行為のうち、非常口を無断で開ける行為は、秩序を乱し、飛行の安全を脅かすとして、民航公安当局が「治安管理処罰法」の関連の規定に基づいて処罰すると規定されている。悪質であったり、深刻な問題をもたらした場合は、「刑法」の関連の規定に抵触し、「犯罪」と見なされる可能性もある。さらに、もたらした損失に対する賠償責任を負う必要がある可能性もある。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年5月12日