スピード全開で携帯電話産業を駆け回る人や企業は、現在の市場の様子をはっきりと認識する必要がある。中国スマートフォン市場の伸びは、もうこれまでのように大きくはないのだ。米調査会社IDCがまとめた最新の報告では、今年第1四半期(1-3月)の中国スマートフォン出荷量は前年同期比4.3%減少し、6年ぶりのマイナス成長になったという。「北京晨報」が伝えた。
携帯電話中国連盟の王艶輝秘書長の分析によると、各種の報告が指し示す共通のポイントは、大陸部の携帯電話市場の規模が均衡して動きを止めた状態になり、携帯の浸透率が飽和状態に達し、これからは携帯販売の主戦場は買い換え市場になり、初回購入市場はますます退潮しているということだ。
実際には、中国スマホ市場の伸びは昨年から低迷し始めていた。IDCのデータによれば、中国の携帯出荷量は昨年から4%減少して、今年1~3月は9880万台にとどまった。昨年の第4四半期(10-12月)から今年の第1四半期にかけては、携帯出荷量は8%の減少となった。
IDC中華圏のキティ・フォーク常務董事(常務取締役)は、「中国はこれまで新興市場とみなされてきたが、実際には中国で売られている携帯のほとんどがスマホで、英国や米国などの成熟した市場と同じ状況だ」と話す。また聯想(レノボ)の劉軍執行副総裁兼モバイル業務総裁は、「中国はすでに新興市場ではないが、発達した市場でもなく、一種の中間状態にある。新興市場の代表格のインドは、まるで3年前の中国のようだ。そこで中国の携帯電話ブランドは今や海外進出に力を入れ、とりわけインド市場をめぐり争奪戦を繰り広げている」と分析する。
現在、中国携帯電話市場では過酷な競争が行われている。最近も次々と新たな挑戦者が参入し、360、楽視、格力などが勢いよく戦いに乗り出した。以前からいるメンバーたちはイノベーションに頭をひねり、たとえば華為は力作「P8」をうち出し、努比亜は「Z9」を発表し、小米は人気機種「Note」のハイスペック機を世に問い、聯想はパッケージも新たにオンラインでの販売に特化した新ブランド「楽檬」を展開し始めた。中国情報通信研究院がまとめたデータでは、今年1~3月に発売されたスマホの新機種は273種類に上るという。
IDCのデータをみると、今年1~3月には米アップルが圧倒的な勢いで小米に代わって中国スマホ市場のトップに立ち、「iPhone」最新機種の人気ぶりがうかがえる。小米と華為がその後に続き、韓国のサムスンは4位に後退、聯想が5位だった。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年5月12日