中国高速鉄道の海外輸出第1弾の契約が今月末にも調印される見込みだ。中国中鉄株式有限公司が12日に発表した公告によると、傘下の中国中鉄二院工程集団有限責任公司とロシア企業との連合体がさきにロシアのモスクワ-カザン間の高速鉄道プロジェクトの探査・設計事業を落札したという。現在、同連合体は内部の業務分担、業務計画・協力、管理メカニズムについて話し合いを進めており、今月末にも正式な合意に調印する見込みだ。「新京報」が伝えた。
▽時速400キロは世界最速
モスクワ-カザン高速鉄道はロシアが2008年11月に発表した「2030年運輸発展戦略計画」の一部で、将来はエカテリンブルグまで延伸する計画だ。プロジェクトの総延長は770キロメートル、最高設計速度は時速400キロ。完成すれば、モスクワとカザンを列車で移動する場合の所要時間が現在の14時間から3時間30分に短縮される。計画では18年のFIFAワールドカップ開催までに工事が完了する見込みだ。
中鉄二院の朱穎総経理(社長)は、「時速400キロは現時点で世界最速の設計速度であり、中国鉄道産業の海外進出プロジェクトにおける最速の鉄道でもあり、中国の技術と設備を大量に採用して海外の寒冷地で建設する高速鉄道でもある」と説明する。
▽多くの観光スポットをつなぐ 中国が融資の一部を提供
朱総経理は、「この高速鉄道は大部分が海抜の高い寒冷な地域に位置しており、中国には高緯度・寒冷エリアにおける高速鉄道の建設・施工や車両設備で豊富な経験がある。2012年12月1日には、世界で初めて高緯度・寒冷地域を運行する高速鉄道・哈大高速鉄道(哈爾濱<ハルビン>-大連間)が正式に運行をスタートした。同高速鉄道の車両は氷点下50度という極限の状況でも正常な運行が可能だ。