最新の研究結果により、苦しい生活環境が貧困者のDNAに影響を及ぼすことが明らかになった。暮らしのストレスは彼らの遺伝子に長期にわたって悪影響を残し、DNAの質を低下させるという。英デイリー・メール紙が伝えた。
デトロイトの貧困層、低・中所得層の黒人、白人、メキシコ系住民を対象に、それぞれのグループのテロメア(染色体の末端部にある構造)を研究したところ、過酷な環境で暮らす人々のDNA配列が年齢と共に短くなることが分かった。彼らの一部のテロメアは、良好な環境で暮らす同年齢の人よりも短い。
テロメアはDNAの末端にある反復配列で、「帽子」のような構造で染色体を保護し、細胞分裂周期を調整する。若者のテロメアの長さは、8000−1万個のヌクレオチドに相当する。テロメアは細胞分裂により短くなり、ストレスの影響を受ける。これまでの研究では、細胞内のテロメアの長さによって、その人の寿命を予想できることが明らかにされている。
デトロイトの低所得層は人種を問わず、テロメアの長さが国の平均を下回っていた。しかし研究チームは、人種・民族・所得がテロメアの長さに及ぼす影響について、統一的な見解を示していない。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年5月13日