台湾地区宜蘭市にある蘭陽博物館には、高齢の物乞いの人形が展示されている。ぼろぼろの服に欠けた碗を手にした哀れな様子が来館者の同情を呼ぶらしく、その碗の中にはよく小銭が投げ入れられている。同館の統計によると、集まった小銭の額は開館以来の5年ですでに24万6266台湾ドル(約97万5千円)に達しており、同館関係者は「しゃべらなくても稼いでくれる。来館者は本当に思いやりがある」とユーモラスに語る。人民網が台湾の聨合報報道として伝えた。
同館によると、物乞いの人形が持つ碗の中には1台湾ドル、5台湾ドル、10台湾ドル、50台湾ドルのコイン、時には100台湾ドル札も見られ、また米ドルや日本円、香港ドル、韓国ウォン、人民元なども見られる。開館以来、この人形の碗が空になったことはなく、月平均の「収入」は3000―4000台湾ドル(約1万1800―1万5800円)になるという。
2010年に開館して以来の5年で、この人形はすでに24万6266台湾ドルを稼いでおり、同館が毎年集計した後、宜蘭県社会福利聯合勸募基金会、頭城鎮聖方済安老院などの慈善機関に寄付される。同館によると、観光客が「寄付」した小銭をどのように処理するのか、当初は頭を悩ませたが、最終的には公益活動に寄付することを決定し、人形は「公益大使」になることとなったという。(編集YH)
「人民網日本語版」2015年5月20日