米国運輸省はこのほど、日本のタカタ製エアバッグの欠陥問題に対応し、全米規模でリコールを実施することで合意に至ったと発表した。リコール対象車は3400万台に及ぶ見込み。この数は、米国の路上を走る自動車7台のうち1台がリコールの対象となることを示しており、リコール費用は総額40億ドル(約4800億円)を上回ると予想される。中国新聞網が報じた。
一方、中国大陸部については、国家質量監督検験検疫総局(質検総局)が発表したデータによると、タカタ製エアバッグ問題でリコールが実施された自動車は57万台に上っている。また、日本市場では、1千万件のリコールが行われるとの推測がある。運転席と助手席に1つずつ、車両1台に2つのエアバッグが装備されているとすれば、欠陥エアバッグを装備した車両は、世界中で4千万台近くに上る。こうなると、タカタ製欠陥エアバッグによるリコールの実施は、米国のほかにも、かなりの範囲に拡大すると予想される。
リコールの原因は全て、タカタ製エアバッグを装備していることにある。一部の車では、助手席のエアバッグが開く際に、インフレータ容器が破損し、容器の破片が飛び散って車内の人間が怪我をする恐れがあるという安全上のリスクが潜んでいる。米国運輸省は、「タカタ側は、エアバッグに欠陥があることを認めており、運転席と助手席のエアバッグを交換するためにリコールを実施することを届け出た」としている。交換の対象となる部品は、エアバッグの核心となるインフレータ容器という。
トヨタと日産は先週、タカタ製エアバッグ問題で、全世界でそれぞれ、500万台と156万台のリコールを実施すると発表した。中国市場では、2社合わせて約57万台がリコールの対象となる。今回のリコールは、2社傘下の複数の企業に関連する。中国では、天津一汽トヨタが、2004年1月1日から2007年3月31日に生産されたヴィオスとクラウン計30万2705台をリコールする。また、トヨタの高級ブランド・レクサスも、206台の輸入レクサスSC430をリコール。同様に、タカタ製エアバッグ問題によって、日産は、一部輸入車および東風日産・鄭州日産が生産した国産車モデル、計26万7416台をリコールすることとした。
英BBC報道によると、タカタ製エアバッグ問題の発端は、15年間に遡ることができる。早や2000年、米道路交通安全局(NHTSA)は、「車両に搭載されたタカタ製エアバッグが開く際に、破片が生じる」という消費者からのクレームを受けた。8年後の2008年11月、ホンダは初めて、エアバッグの欠陥が原因で4千台をリコールした。その6か月後、エアバッグが爆発して生じた破片で若者が死亡するという事故が発生、ホンダは51万台の追加リコールを実施した。その後、GM、フォード、クライスラー、BMW、ホンダ、三菱、スバルは続々と、芋蔓式にリコールを実施、現時点でのリコール対象車は累計3千万台を上回った。関連機関の調査によると、これまでに、エアバッグの不具合によって6人が死亡した。