中国国内で長寿の郷として有名な江蘇省如皋市には、こんな言い伝えがあるという。「トウモロコシやお米の粥を常に食べていれば、人は90過ぎまで生きられる」。
如皋市長寿研究所の調べによると、市内の100歳以上の高齢者のうち74%が、1日に2回はトウモロコシの粥を食べている。トウモロコシの粥とは日本人にはなじみがないが、コーンミールをトロトロに煮たもの。トウモロコシを砂粒大に粉砕したものを、撹拌しながらゆっくり火を通していく。これに米を混ぜたものもある。中国には他にも各種雑穀のお粥が存在する。
トウモロコシはさまざまな栄養成分を含んだ優れた雑穀。白米や小麦粉などの精製穀物が主食となっている現代の食生活においては、意識して摂ることが望ましいという。ドイツある機関の研究でもトウモロコシの栄養価を高く評価しており、ビタミン類の含有量が米や小麦の5~10倍になるという。とくにリボフラビン(ビタミンB2)が豊富で、心臓疾患やがんの予防に効果があると考えられている。
お粥を摂ることは、水分補給にもひと役買っている。中高年以上の人の体内は慢性的に水分不足に陥りやすい。尿や汗の量も減り、体内に毒素が溜まりやすくなるため、お粥はその面でもメリットをもたらす。
レコードチャイナ 2015年5月27日