浙江省銀行業監督管理局は27日、「浙江網商銀行股份有限公司」の開業を認可する通知を発表した。同社は、インターネットをプラットホームとし、零細企業やネット上の消費者を対象に金融サービスを提供する。
網商銀行は、実店舗は設置せず、現金業務や各種小切手、為替手形など、従来型の銀行が提供している業務も行わない。網商銀行の頭取・俞勝法氏は、「当銀行の核心システムは、インターネットサービス大手・阿里巴巴(アリババ)集団が自主開発した分散型アーキテクチャを使った金融クラウドコンピューティングやOceanBaseデータベースを基に開発されたもので、ビッグデータに基づいてリスク抑制を行う。今後、螞蟻金融服務集団の少額ローンの業務も段階的に当銀行と融合される」と説明している。
俞氏はまた、「初期は、ネットショップサイト・淘宝網を通して、企業や個人の起業家にサービスを提供する。また、これまでにあった少額ローン商品の利用者の一部から選んで、当銀行の顧客とし、リスト制信用期限延長を行う。将来的には、阿里巴巴集団や螞蟻金融服務集団の顧客にもサービスを提供する」と、段階的に業務の拡大を行う予定であることを話している。
その他、同銀行開業初期は、貯蓄やローンの商品を中心とするといい、「今後は、商品開発のペースを速めたい。当銀行は少額の信用貸付業務しか行わない。零細企業の場合、貸付額は500万元(約1億円)以下。100万元(約2000万円)以下の貸付が全体の80%以上を占め、要求と基準を厳しく守り、20%のハイネットワースの業務は行わない。その他、顧客の差別化を実現し、リスクの高さに基づいて利子を調整する。零細企業の利率は約14%」と明らかにしている。
同銀行の株主である「復星集団」の投資総監・陳鉄氏は、「今後、同銀行は、幾つかの課題・難題に直面するだろう。1つは、利用者の消費の習慣。顧客の認知度や依存度をいかに高めるかが課題。2つ目は監督管理制度。同銀行は、従来の制度を覆そうとしている。それでも、監督管理部門と積極的に協力し、制度を調整しなければならない。3つ目はリスク抑制と信用管理。ネットの信用を、いかに効果的に貸付における信用管理に転化するかが課題。これは、世界の金融機構が抱えている難題でもある。4つ目は、同業者との競争。従来型の銀行も、ネットを利用したサービスに手を広げている。一部の非銀行型金融機構も、経営のネット化を実現している。それら機構は、同銀行の競争相手になる。そのため、市場において、同銀行には、高いマーケティング能力やリスク抑制・管理が必要」と指摘している。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年5月28日