河北教育出版社の姜紅氏は、「世界的に優秀な絵本作家は基本的に児童心理学の専門家であり、子供の世界をよく理解し、自分の目線を落として、子供の目でこの世界を見ることができる。これが国内の作家に備わっていない点だ」と分析する。
「説教臭さが強すぎたり、創造力や独創性に欠けていたり、子供の目線から出発していないというのが、多くの親の一般的な反応だ。子供たちは日本の絵本を非常に好んでいる。中国の読み物はあまりに説教臭い。日本の絵本は、おそらく、文化が近いからだろう、中国の子供でも快適に読み進めることができる」。さらに、多くの母親が「日本の絵本の画風は非常に繊細で美しい」「非常にシンプルだが、子供の創造力を養うことができる」などと相次いで称賛の声をあげている。
国産絵本の製作のコストが高すぎることや、リスクが大きすぎることも発展スピードが緩慢なもう一つの大きな要因となっている。これに比べると、海外の絵本は出版までの準備期間が短く、リスクも小さい。往々にして出版社の第一選択肢となっている。近年、日本の漫画やアニメ、デジタルゲームを好む中国の子供はますます増えつつある。日本の文化を身近に感じる世代が親の世代になっていることも、日本の絵本が中国で人気を徐々に高めている要因の一つとなっている。
■筆の背後にある物語 国産漫画家の生存の現状
極めて困難な状況の中で自分の夢を追い続けているが、率直に言うと、「漫画は儲からない」。中国の漫画家はたいていこのような状況に陥っている。
専門家は、「産業チェーンの未整備が中国の漫画・アニメの発展の最大のボトルネックとなっている」と指摘する。国産漫画の競争力がまだあまり強くないのは、作品が分散しており、漫画の資源をまとめる媒体やプラットフォームが存在していないため、漫画家が安い原稿料で仕事を請け負わざるを得ない状況だからだ。この種の悪循環な環境は漫画・アニメ作家が産業の狭間に陥り、生存が困難な局面を形成している。