日本の人気漫画「ONE PIECE」と作者の尾田栄一郎氏が、同作コミック全巻の累計発行部数が世界で3億2086万6000部を記録し、「最も多く発行された単一作家によるコミックシリーズ」として、このほど「ギネス世界記録」に認定された。日本の漫画が再度世界記録を創ったことは何ら不思議なことではない。日本には絵本や漫画業界を牽引する宮崎駿、高木直子、青山剛昌、藤子.F.不二雄ら人気漫画家が大勢いるが、中国には成功した漫画家は幾米など数えるほどしかいない。
近年製作された一部アニメは人々の中国国産アニメに対する期待を高めたが、作品はまだ分散化している。産業チェーンはまとまりがなく一貫性がないほか、革新性が欠如しているなど根本的な問題が解決されておらず、国産アニメは生存の苦境から抜け出すことが依然として非常に難しい状態にある。
■絵本・漫画市場の人気と苦境
アニメは子供のコミュニケーション力や想像力を培うことができるなどの理由により、1930年の早い段階で欧米を一斉風靡し、1950年代に日本や韓国で流行した。中国では絵本が伝わってまだ10数年しかたっていないが、存在さえ知られていない状況から一気に都市部の家庭へと普及し、たちまち黄金時代を迎えている。「中国絵本閲読地図」の編集委員会のメンバーである王旭平氏によると、現在、中国各地には民営の絵本館が1600店も存在するという。一部の大都市では親の絵本に対する追求は、過剰なレベルになっているという。