2015年6月29日  
 

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日本人ベテラン教師、中国で「最後の授業」 (2)

人民網日本語版 2015年06月29日16:09

中国に来る前は、新潟県で40年もの間報道関係の仕事に携わっていた纐纈氏は、次の通り語った。

「報道関係の仕事を退職した後、ハルビンにやってきて日本語教師になった。その大きなきっかけとなったのは、日本の巷で物議をかもした一冊のドキュメンタリー書籍だ。日本の有名作家・森村誠一氏が十数年前に、「悪魔の飽食」という書籍を出版した。私を含め多くの日本人が、この本を通じて、「731細菌部隊」の存在を知り、この部隊が中国で数多くの恐ろしいことをした事実を知った。職業柄、私は、良く知られていないこの歴史を世の中に暴露し、詳細を明らかにしようと決心した。

2008年、ハルビンにやってきた纐纈氏は、すぐに中国侵略日本軍731部隊遺跡を訪れた。氏は、その受けた印象を「重苦しい」という言葉で表現した。それ以降、定期的に遺跡を訪れるうちに、中国語の英訳資料は大変整っているが、日本語訳資料は非常に少なく、翻訳資料の中にも正しく翻訳されていないものがあることに気づいた。氏は2010年、黒竜江外国語学院の教員となった際に、日本語翻訳課外チームを立ち上げた。氏と陳列館側との協議の末、中国人学生を連れて定期的に陳列館を訪れ、同館に収蔵されている解説文書や日本語証言の翻訳作業を無償で行うことになった。

纐纈氏に協力した教師の富鉄民氏は、当時の様子を、次のように振り返った。

学校と陳列館はそれぞれ、ハルビンの両端に位置している。毎回、3台の車を調達し、4時間あまりの時間をかけて陳列館に赴いた。毎回、自費で学生たちを陳列館に連れて行き、画像や日本人証人による録音資料の翻訳作業に取り組み、逐一校正も行った。これらの仕事は、極めて大変な作業だったが、このように、ひとつの事に一緒に取り組み、協力し、交流する中で、私と学生たちは、この日本人老人が導くもと、深い友情で結ばれていった。


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