2015年7月2日  
 

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安保法案審議、想定される3つのシナリオ (2)

「週刊!深読み『ニッポン』」第80回

人民網日本語版 2015年07月02日09:50

▽第3のシナリオ:タイムオーバーで廃案

 日本では現在、各界の著名な学者らが「安保法案は違憲である」といった声を上げている。憲法学者や作家などからなる「戦争をさせない1000人委員会」が6月29日、「憲法9条を真っ向から否定するもの」として集団的自衛権行使容認の閣議決定と安保関連法案の撤回を求める約166万人分の署名を衆参両院に提出した。日本各地では安保法案反対の大きな波が起こっており、公務員なども含む各界の人々が安保法案に反対する隊列に続々と加わっている。全国各地とりわけ首都東京ではデモ行進や抗議集会が相次いで開かれ、波はさらに高まる傾向を見せ、野党も抗議集会に直接加わり始めている。デモ隊の増加による交通への影響も出始めており、警察との衝突の可能性もある。安保法案の衆院での採決は7月中旬に予定されているが、安倍首相は事態が制御不能となるのを回避するため、衆議院での採決を7月末から8月初めにずらす可能性がある。だがそうなれば「60日ルール」運用で衆議院での再議決に持ち込むことはできなくなる(日本の国会では、参議院で60日経っても議決されない法案は衆議院で再議決される)。国会会期の期限の9月27日まで60日の猶予がなく、安保法案の衆議院での再議決ができなければ安保法案は廃案となり、安倍首相の安保をめぐる暴走は失敗する。安倍首相は自らのメンツと実績、さらには9月の自民党総裁選での再選確保のため、権限を利用して衆議院での再議決を強行するかもしれない。自民党が衆議院で多数を制していることを考えれば、「強行採決」でも安保法案を通すことはできる。だが強行表決は最後の一手であり、一旦「強行」とみなされれば、日本の世論や国民、国際世論に対して「安倍首相は独裁的で横暴だ」というマイナスのイメージを与えることとなる。そうなれば安保法案を成立させることはできても様々なきしみが生まれ、各種の圧力を受けて安倍首相が退陣に追い込まれる可能性さえある。

 以上の3つのシナリオのうち、人々が期待しているのは第3のシナリオだろう。第2のシナリオは注意深く見守る必要がある。第1のシナリオの現実化は何としても避けなければならない。

 第2のシナリオは、日本の各政治勢力のそれぞれが納得できるシナリオと言える。与野党の双方のメンツと利益に配慮し、バランスを取ったシナリオとして、実現の可能性は高い。第1のシナリオは、安倍首相が一方的に勝ちを収めるもので、こうした局面が出現するならば、日本の戦後の政治は大きく後退し、今後の戦略方向の転換点ともなりうる。日本の一般国民と国際社会にとっては受け入れがたいシナリオだ。第3のシナリオは、日本各界の有識者とほとんどの国民が求めているもので、日本が平和の道を歩み続けることを求める国際社会のすべての人々の願いでもある。

 日本の安保戦略の行方に注目している日本各界の有識者や一般国民、国際世論(主流国際社会を含む)はいずれも、日本が平和的で安定した道を健全に歩み続けることを期待している。歴史の流れに逆らい、軍国主義的な拡張を再開し、国際社会の脅威となることは誰も望んではいない。(編集MA)

 「人民網日本語版」2015年7月2日


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