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世界遺産登録で文化保護の新たなスタートラインに (2)

人民網日本語版 2015年07月07日13:11

貴州遵義海竜屯土司遺跡

「世界文化・遺産保護公約」第4条では、「文化及び自然遺産の認定、保護、保存、展示、次世代への伝承は、各国に課された責任である」と明確に示されている。この意味では、「世界遺産」という称号には、より多くの責任がともなう。登録決定は決してゴールではなく、保護責任を履行する新たなスタートラインなのだ。

今回、世界遺産への登録が決まった土司遺跡は、非常に脆弱であり、保護は簡単ではない。だが、幸いなことに、登録決定というニュースが伝わると、各地は喜びと同時に、保護責任に対する新たな自覚と責任の重みについて表明した。永順老司城では、現地県委員会書記による第一声は、村の規約を制定し、遺跡エリアに対する24時間パトロールを実施するといった、「保護体系のさらなる改善」だった。遵義海竜屯では、現地政府が、関所や城壁など遺跡の修繕保護計画を策定中で、文化財の安全評価のために専門家を招いた。

文化が伝承される過程で、保護と開発は、永久不変の課題である。文化遺産は複製してはならず、再生もできない。世界遺産に決定する、しないにかかわらず、保護は最優先事項に据えられるべきだ。しっかりと保護することで初めて、文化遺産の持続可能な利用が実現し、今生きる人々や子子孫孫に幸せがもたらされる。

ある80歳代の在米中国人は、「小さい時に故郷を離れた自分にとって、故郷の記憶はかすかなものでしかない。ただ一つ、故郷にあった小さい廟のことは、今でもよく覚えている。出発前に、廟の中で額をつき、立ち去る時には何度も振り返った」と感慨深そうに話した。「山を仰ぎ 川を眺め 故郷を偲ぶ」ことは、本質的に、文化に対する憂いと憧れであり、社会全体が共に対峙すべき課題である。ドイツ・ボンで開かれた世界遺産大会において、「遺産の危機に対して世界が協力して行動しよう」という「ボン宣言」が採択された。今年の中国の文化遺産デーは「保護の成果を国民全体で共有する」をテーマにしている。本質的なものを忘れずにいることで、初めて未来が切り開かれる。一人ひとりが共に行動に移し、「ここに来た記念に」などという身勝手な落書きは一切控え、文化財を敬う自覚を持ち、人類共有の文化遺産を護る気持ちを持ち続けることで、遺産の美しさや素晴らしさが、輝き続けることができる。(編集KM)

「人民網日本語版」2015年7月7日


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