英国デボン郡のサラ・ウィルコールさんという女性は一度、脳卒中で倒れ、目が覚めたあとなんと自分の本来の訛りが消え去り、強い中国訛りに取って代わっていることに気が付き、一瞬で標準的な中国訛りの専門家になった。さらに彼女にとってショックだったのが、専門家の「このような訛りは永遠に直せないかもしれない」という言葉だった。英国「デイリーミラー」の報道を引用し人民網が伝えた。
これは一種の脳卒中の後遺症なのだそうで、医学的には「外国語様アクセント症候群」と呼ばれている。現在、世界中ではたった20件の症例のみである。最初にこの症例が発見されたのは第2次世界大戦中、一人のノルウェー人女性が空襲の際に被弾し頭部に損傷を負った後、ドイツ訛りを帯びてきた。専門家は「アクセントは母音の強弱や長さによって形成されているので、ウィルコールさんが中国に行ったことがなくても中国人にとてもよく似たアクセントを持つようになり、そのようなアクセントを永遠に直せないかもしれない」と話す。
医師は様々な治療方法を試みたが、殆ど効果はなかった。ウィルコールさんは「この事実を受け止めるのに時間を要したが、今もこのような状態だし、これからも生活していかなければならない」と最初は楽観的だったが、脳卒中の後遺症はそれだけに留まらず更に追い打ちをかけてきた。長期にわたる偏頭痛は常に麻痺を誘発し、会話能力を失うなどの症状が現れ、ご飯を食べたかどうかを忘れたり、自身の体温の調節ができない時もある。これらの症状により、彼女のもともとの仕事だったITプロジェクトのアシスタントを退職しなければならなくなった。さらに不幸なのは彼女の夫も健康に重大な問題があるために仕事を辞めざるを得ないということである。(編集JK)
「人民網日本語版」2015年7月10日