ダイキン中国の公式サイトによると、ダイキンのエアコンは現在、上海、広東省恵州、江蘇省蘇州に生産基地がある。円安の加速により、ダイキンは格力のOEM生産能力を削減して日本に生産能力を移転させただけでなく、蘇州工場の中国市場向けエアコンの生産能力を拡大することになった。15年度のダイキンの計画では、格力のOEM生産能力と蘇州の自社工場の生産能力の計約15万台分を日本に移転し、日本市場向け生産能力を前年度比約15%縮小するという。
ダイキンの14年度財務報告によると、昨年の中国エリアでの営業収入は3533億7600万円、13年度は3228億8300万円で、中国圏はダイキンにとって日本と米国に次ぐ世界3位の市場となっており、営業収入の占める割合は18.44%に上った。中国市場での営業販売ルートのネットワークでは、コミュニティや町中にある専門小売店を中心として、ここ数年は大都市から三級都市、四級都市へと営業販売のエリアを移している。
▽中国では周辺化の運命から逃れられない?
家電産業のアナリスト梁振鵬さんは生産能力の移転について、「これはダイキンの中国国内市場での発展に必ず影響を与える。中国市場で、ダイキンは格力、美的、海爾(ハイアール)などの強豪メーカーとの競争に直面し、市場の開拓は非常に難しい。今、ダイキンの生産能力が移転することは、日本のエアコンメーカーの中国市場撤退の予兆とみなすことができる。一般に企業が市場から撤退する時は、生産資源の調整・配置を通じて、生産工場を少しずつ手放し、生産能力を縮小するのであり、ダイキンはすでに昨年から生産能力の縮小を進めている」との見方を示す。
今年初めて発表された「中国エアコン市場年間」に掲載されたデータによると、14年の中国エアコン市場では、外資系ブランドのシェアがますます低下し、サムスン、パナソニック、ダイキン、シャープ、LGなどのシェアは合わせても6%を割り込み、中国では零落して主流から外れたとの位置づけが決定的だ。
業界関係者は、「外資系エアコンブランドが次々に主流から外れることになった原因はさまざまで、国産ブランドが中核的技術やデザインの面で飛躍したことや市場での販売促進で積極的であることのほか、外資系ブランドにはイノベーションが不足し、価格面での柔軟性が少なく、コストパフォーマンスの点で劣勢が目立つようになったことなどが挙げられる」と話す。
中国家用電器商業協会営業販売委員会の洪仕斌執行会長は、「もともとスケールメリットをまったく備えていなかった外資系ブランドが、将来に市場のボトルネックと国産ブランドの猛攻撃に同時に直面した際、抵抗力を持ち続けることは難しい。エアコンは国内ブランドが完全に掌握した大型家電製品の第1号になる可能性がある」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年7月10日