2015年7月22日  
 

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胡同に魅せられたフリーライターの多田麻美さん (4)

人民網日本語版 2015年07月22日09:24

胡同の変化

日本が高度成長期に古いものを数多く壊していったように、ここ数年、北京も発展に伴って胡同の多くが街から姿を消し、張さんが語るような趣を感じる光景も少なくなってしまったようだ。昔から住んでいる人の割合も次第に減少傾向にある。しかし、「新しく来た人たちや外国人、また留学から帰ってきた中国人が胡同の『表現の空間』としての魅力に気づき、チャレンジ精神をもってオシャレなお店や画廊、芸術祭など開いたり、交流の可能性がある場所を作ったりしている。これも面白い変化であり、一概にすべて悪い方に変わっているわけではない」と多田さんは語る。しかしその一方で、昔ながらの歴史を感じる胡同は確実に減ってきているので、失われていくことに対して考えるきっかけがあればと多田さんは考える。「多くの姿が変わってしまったかもしれない。面白くないからといって突き放してしまうのは簡単だが、面白い変化もたくさん起きているし、失われたことでおしまいにするのではなく、失われたからこそ価値が分かるという風になればと思う。そこに関わりつつ、見たり、書いたりしていくことで、いい方向に変わると信じている」。

胡同の未来の姿とは

胡同の未来の姿には「意外と近未来的な面白い希望を抱いている」と多田さん。「今後の高齢化社会や、ゆっくりとした、効率ばかりを求めるのではない社会を思考した時に、胡同は大きな可能性や新しく活かせる価値を秘めている。特に孤独死や高齢者の孤立といった問題を考えた際に、胡同の空間はすごくいいなと思う。私の住んでいる胡同にもおじいちゃんおばあちゃんがいるが、怖いな、寂しいなと思ったときに訪ねてきてくれる。そういう関係ってすごく素敵だなと思う」と、多田さんは胡同という生活空間に秘められた価値に期待を寄せる。(岩崎元地)

「人民網日本語版」2015年7月22日


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