今回、研修団をつれて北京の天壇を訪れた稲山さんは、その完璧な円形のデザインに敬服したという。「これほどすばらしい建築技術は珍しい。日本で比べられるのは、京都の金閣寺くらい」。
今回の天津への旅を含めると、稲山さんはすでに中国を14回訪れている。初めて中国に来たのは27年前。当時、大学生だった稲山さんはリュックサックを背負って大阪から船に乗り、上海などを訪れたという。
当時の旅行で最大の収穫だったのは、香辣蟹との「出会い」だ。海鮮料理が大好きな稲山さんにとって、香ばしくピリッと辛いあの味はなかなか忘れられないという。
中国に関する日本のニュースについて、稲山さんは日本のテレビやネットの情報を鵜呑みにせず、自分で情報を得て判断すると語る。例えば、日本のテレビで天津港の爆発事故のニュースが報じられると、すぐに天津の学生にメールを出して確認を取った。「日本のニュースは伝わるのが速いが、現地にいる知り合いの人の言葉の方が信じられる」。天津市内の安全を確認した後、稲山さんはすぐに「天津では安全に交流活動ができる」と学生に通知した。
天津外国語大学日本語学院の朱鵬霄院長は取材に対し、「稲山さんは中国に来る前、2回の鋸琴の演奏会を行った際に、募金を集めてくれた。北陸大学の教職員や交流に参加した学生たちも、彼の思いに感動し、募金を行ってくれた」と語る。
稲山さんは「募金額は少ないが、爆発事故で被害を受けた人たちの助けになりたいと思った」と語る。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年9月9日
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