「『これからはアジアの時代。中国へ行こう!』と、周りの人が言っていたから、中国に来た。それで、歴史問題がしこりになっていることを知った。もちろん、私が体験したことはそれが全てではないが」。流暢な中国語でそう語るのは、上海に留学して4年目になる倉岡駿さん(25)だ。新民晩報が報じた。
倉岡さんは、日本語と中国語の文章から、自分の目に「アジアで最も重要な国」と映っている中国と日本について読み取ることができる。
■日本人は「過去のことを語るのを好まない」
今年は戦後70年という歴史の節目であるものの、倉岡さんが特に注目している様子はなかった。中には、絶えず言及することで確かな「常識」となる歴史もある。例えば、原爆投下は広島や長崎の運命を変えた。一方、南京大虐殺のように、言及することも難しい歴史もある。
「過去のことを語る」ことを、日本の若者はあまり好まない。「おもしろくないと感じる。中国人であっても、日本人であっても、その話題では会話が続かない」。倉岡さんは、日本で広く見られる「歴史に無関心」という現象をそう説明する。多くの若者にとって、歴史を勉強するのは、受けたくなくても受けなければならない試験のためで、「常識」を知っていればそれでいい。「でも、『常識とはなんなのか?なぜ、常識は知っておかなければならないのか?』などということを、試験が終わってから考えることはない」。