米国防総省高官も公聴会に事前に提出した文書で、日本の協力の範囲は「平時の海洋監視から広範囲な突発的事態への対処にまで拡大される」と強調。日本の協力拡大に「期待」を表明した。
■やむを得ない戦略設計
日本の挙動が戦後国際秩序を破壊する可能性に国際社会が懸念を抱く中、米国はなぜ歓迎を表明するのか。
毎日新聞の19日付記事「安保法、日米軍事同盟一体化を促進」によると、日本による集団的自衛権の行使容認や自衛隊を海外に随時派遣できる恒久法の制定は、米国側が長年求めてきたものだ。
これは嘘ではない。学者によると日米防衛指針のキーワードは次のように変化してきた。1978年のキーワードは「専守防衛=米日同盟」。すなわち当時の防衛範囲は日本本土に限られ、米国が一方的に日本に安全保障を提供するだけだった。1997年の改定後、キーワードは「周辺事態」に変化。米国の安全保障のコミットメントの範囲は日本本土だけでなく、日本周辺、さらには釣魚島(日本名・尖閣諸島)など争いのある地帯にまで拡大された。そして今年4月にキーワードは「切れ目のない日米協力」へと変化した。これは日本の防衛に一層大きな要求を課すものだ。
だが実際には米国は1950年以来一貫して日本の再軍事化を催促してきた。米国は力の下降に伴い、「アジア太平洋リバランス戦略」の実施にあたり同盟国との協力を一層必要とするようになった。
長年日本はこの圧力に抵抗してきた。だが安倍氏が就任すると、抵抗は「順応」へと変わった。平和憲法第9条を覆すことについては、個人の信念上の動機もあれば、地政学上の口実もある。