アジアインフラ投資銀行(AIIB)の初代総裁候補・金立群氏はこのほどシンガポールで、「AIIBは全体として黒字でなければならない。投資プロジェクトのリターンは6~10%が合理的だ。AIIBはプラットフォームとしての役割を発揮し、民間部門が地域の開発や投資により安心して参加できるようにしていく」述べた。「人民日報」海外版が伝えた。
▽AIIBはアジア投資を優先
金氏はこのたびシンガポールで行われた会合で、AIIB創設の目標と主旨に改めて言及し、「AIIBの資源はアジアに優先的に投入することになる。特にアジアの低所得国に優先的に投入することになる。低所得国はインフラ分野で多くの未解決のプロセスを抱えており、市場や世界銀行やアジア開発銀行(ADB)などから十分な資金を調達することは難しい。AIIBは民間部門と協力して、こうした国々が債務を増やさずに投資を獲得できるようにしたいと考えている」と述べた。
商務部(商務省)国際貿易経済協力研究院国際市場研究部の白明副主任は、「アジアの低所得国に優先的に投資すること、特にこうした国々のインフラ分野に投資することでもたらされる波及効果は、成熟した市場経済国に投資した場合をはるかに上回る。これらの低所得国のインフラは他の産業の発展、人口や雇用などさまざまな経済的要因の発展の土台だからだ」と指摘する。
また白副主任は、「当然のことだが、投資と同時にもたらされるリスクも相対的に大きなもので、リターンの見通しには一連の予測不可能性がつきまとう。だがAIIB創設の目的はアジアのインフラに融資サービスを提供することにある。そこで既存のリスクコントロール基準に完全に則って管理を行うことはできないし、先進国と同じやり方で問題を処理するわけにもいかない」と話す。