中国製造業が勃興した主な原因は、大きなこととしては改革開放があり、小さなこととしては日本の4段階の最初の2つの段階のように、模倣からイノベーションを起こして成功を収めたことにある。中国の製造業が日本の90年代後の工業化された消費時代のようなピークを迎えられるかどうかは、日本のようにイノベーションを模倣する中で超越を果たせるかどうかにかかっている。だがよい技術とよい製品、よい市場とは必ずしもイコールではない。技術には安定性と直線性が必要で、製品と市場には可変性と曲線性が必要だ。よってイノベーションにおける超越を実現できなくとも、イノベーションを模倣し続けさえすれば、製品と市場で一定の場所を占めることができる。イノベーションにおける超越を実現しても、製品や市場において常にイノベーションの超越を実現できなければ、市場を獲得し、トップの座を維持することはできない。
製造業の栄光と衰退の歴史の中で、日本は何に成功し何に失敗したのか。こうした点は、工業のインターネット時代に追いつき、これを追い越そうとしている中国企業にとって啓示的な意義があることは明らかだ。中国と日本は、文化的な中核で、ともに儒教の「中庸」の思想の影響を深く受けており、思い切った手を打つことをよしとしないことが多い。そこで、中国と日本の文化には、何かに強く「固執」するという面がみられ、自由やイノベーションの能力という点で欧米にかなわない。日本は世界にその名をとどろかせる「模倣の先輩」から徐々に「自分の殻に閉じこもった存在」になっていった。これは実力の変化にともなって「固執」の心理が働き、それが発酵した結果だといえる。中国は今や世界2位のエコノミーであり、中国国民の心情も変化のさなかにある。日本の姿は私たちに警告を与えてくれる。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年10月22日
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