「中国長編小説の最高賞」との誉れをもつ第九回「茅盾文学賞」が先日公表され、252作品の中から、格非の「江南三部曲」、王蒙の「這辺風景」、李佩甫の「生命冊」、金宇澄の「繁花」、蘇童の「黄雀記」の5作品が入選した。宣伝不足や参加意識不足のためか、茅盾文学賞の世界の文壇における知名度は低い。今回の発表も西側メディアの注目をあまり集めなかったものの、同じアジア文化圏に属する日本から大きな反響があった。
茅盾文学賞は中国作家協会主催で、4年毎に発表されている。今年の発表は2011年から2014年までの間に出版された長編小説が対象。「朝日新聞」は19日、中国では毎年のように優れた長編小説が登場し、各地で開催されるブックフェアや文学論壇において度々新作が発表されていると伝えた。北京に長期滞在する日本人翻訳家の泉京鹿氏によると、中国で昨年出版された長編小説は3000作品に上り、2015年は4000作品を超える見通し。同氏は、劉震雲の茅盾文学賞受賞作品「一句頂一万句」を例に挙げながら、同書は出版するや否やベストセラーとなり、長編小説「蛙」で茅盾文学賞を受賞した莫言は村上春樹に並ぶ大家となったと紹介した。