第73回ヒューゴー賞が23日夜、米国で発表され、52歳の中国人作家、劉慈欣がSF小説「三体」でSF、ファンタジー界のノーベル賞と称されるヒューゴー賞の最優秀長編小説賞を受賞した。中国人初、アジア人初の快挙となった。新京報が伝えた。
中国の目線でのSFが国際的に認められた
受賞したのは英語版「三体」シリーズの第1部であり、ストーリーは中国の視点から切り込み、人類と宇宙人の「三体人」の運命のまじわりが書かれている。
「三体」は英語に翻訳された後Tor出版社から出版され、外国メディアと読者の好評を博した。かつてヒューゴー賞を受賞した「氷と炎の歌」の作者ジョージ・マーティンは「『三体』は劉慈欣氏に中国人作家として初めてヒューゴー賞を受賞させる小説になるだろう」と予言していた。中国のSF小説家の韓松氏は劉氏が受賞した後、新京報に対して「作品の質が一番だったので『三体』がヒューゴー賞を受賞したのは必然的だ。ここ数年、中国のSFものは際立っている。劉氏がその代表格だ」と語る。
ヒューゴー賞はSFの最高栄誉賞
ヒューゴー賞は「世界SF協会」が授与するSF文学賞で、1953年に設立された。SFの父と言われるヒューゴ・ガーンズバック氏の名前にちなんでヒューゴー賞と名付けられた。説明によると、2015年のこの賞は世界SF協会の5950名の会員の投票により選出され、投票数の最高記録をつくった。世界SF界において、ヒューゴー賞と米国SFファンタジー作家協会が設立したネビュラ賞は最も権威と影響がある世界的なSF大賞と認められている。(編集JK)
「人民網日本語版」2015年8月25日