中国科学院紫金山天文台が5日に発表した情報によると、同天文台の研究者が率いる研究チームは月探査機「嫦娥2号」の探査データを分析し、地球に近い小惑星「トータティス」の表面に存在する岩の分布の特徴を明らかにした。この最新の発見は、トータティスの形成・変化の研究にとって重要な科学的意義を持ち、地球近傍小惑星の地球に対する潜在的なリスクへの対処・解消に役立つ。新華社が伝えた。
トータティス (4179 Toutatis) は現在知られているうち最大の、潜在的な脅威となっている地球近傍天体だ。地球近傍天体は、頻繁に地球と衝突している。2013年にはロシアのチェリャビンスク州に隕石が墜落し、1200人が負傷し、約3000軒の建物が破壊された。
中国の「嫦娥2号」は2012年12月13日、トータティス付近の通過に成功し、同惑星の高分解能光学画像を入手した。研究チームのメンバー、同天文台研究員の季江徽氏によると、直径10~61メートルの200個以上の岩石を識別できたという。これらの岩は形成後に破壊されているが、これは衝突もしくは小惑星の昼夜の温度差によるものだ。直径20メートル以上の岩の多くは、小惑星表面の衝突によって散らばったものではなく、トータティスの母体が形成された際に残されたものだ。またクレーターの累積比率の分布図によると、トータティスの表面のクレーターの年齢は約16億歳に達している。(編集YF)
「人民網日本語」2015年11月6日