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パリ合意では「共通だが差異ある責任」の原則を堅持すべき

人民網日本語版 2015年11月30日10:55

 国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)の開幕を控え、中国の解振華・気候変動事務特別代表は人民日報に寄稿し、気候変動に関する国際交渉における中国の立場を説明し、パリ合意では「共通だが差異ある責任」の原則を遵守すべきと強調した。人民日報が伝えた。

 解氏が指摘した内容は次の通り。

 気候変動に関する国際交渉は、各国の核心的利益、発展権益、国際的な影響力に関わる。各国はパリ合意をめぐり、激しい駆け引きを展開している。合意の中で「共通だが差異ある責任」の原則と公平性をどう体現するか、排出削減モデルと削減量をいかに設定するか、資金・技術面の支援をどのように実現するか、合意の法的拘束力をどう体現するかなどの問題について、各国間の矛盾や意見の相違は依然として大きい。一部の先進国は世界経済構造の変化を理由に、「共通だが差異ある責任」の原則を柔軟に解釈することを提案、2020年以降に全ての国が共同で排出削減し、先進国と途上国が共同出資する新メカニズムを推進しようとしている。先進国のこうしたやり方は、自国の発展の強みなどの利益を保護することが目的だが、客観的に見ると、気候変動問題の歴史的責任や発展段階、発展水準、対応能力といった面での先進国と途上国の根本的な違いが曖昧にされ、条約の基本原則が弱まり、世界が一致団結して気候変動に対応するという政治的、道徳的基礎が破壊され、世界的な気候ガバナンスの公平の原則に反する。これは、断固として回避すべきだ。

 排出削減モデルと法的拘束力の面でも意見が分かれている。国際法的拘束力を持つ合意により、排出削減モデルで「トップダウン」の厳格性を体現しようとする国がある一方で、各国が独自に排出削減の貢献を決定し、法的拘束力は持たない「ボトムアップ」の包括的で柔軟な排出削減モデルの確立を望む国もある。これは話し合いの上調整・解決しなければならない。

 発展途上国は軒並み、パリ合意は「共通だが差異ある責任」の原則、公平の原則、各国の能力の原則を遵守すべきであり、緩和、適応、資金、技術、透明性などの要素を同等に扱うべきだと主張している。先進国は、すでに出現した気候変動問題に対して歴史的責任があるため、大幅な削減に率先して取り組み、途上国に資金・技術的援助を提供する必要がある。途上国はどこも同じような発展段階にあり、程度は異なるものの、経済発展、貧困解消、民生改善、環境保護、気候変動対応などの様々な試練に直面し、環境保護のプロセスの中で自国の合理的な発展利益を守るため努力している。先進国が現在実施している、2020年までの排出削減・出資・技術譲渡に向けた取り組みは限られており、2020年までに年間1000億ドルの資金を途上国に提供するという資金目標も見通しが暗い。これもCOP21が直面する大きな困難・課題だ。(編集SN)

 「人民網日本語版」2015年11月30日

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