これまでずっと「変わらないことであらゆる変化に対応してきた」資生堂は、中国市場での34年にわたる事業展開の後、このほどブランドの再構築を進めることを決定した。改革を通じ、韓国化粧品の衝撃や中国市場の巨大な変化に対応するのが狙いだ。「北京商報」が伝えた。
▽ブランド再構築
資生堂はこのほど行ったブランド刷新の記者会見で、来年1月から世界88カ国・地域でブランドの全面的な見直しをはかり、ブランドのロゴ、製品、広告ビジュアル、イメージモデル、店舗のカウンターなども見直すことを明らかにした。新たに就任した資生堂グループ中国エリアの藤原憲太郎社長は、「ブランド刷新計画を通じて資生堂の消費層を拡大し、若い世代を改革のターゲットとしたい。これは年初に『生まれ変わり願望』を明らかにしてから、資生堂が初めて発表したグループ史上最大規模の改革の具体的戦略だ」と話す。
資生堂はここ数年、売上高の伸びが鈍化し続けており、昨年には重要市場である中国で「思い切った」改革を行うことを決定した。今年中ほどに発表した2014年度決算をみると、14年末に制定した中長期戦略「VISION 2020」の達成を目指し、15~17年は「事業の基礎を再構築する期間」と位置づけられる。20年には売り上げ目標2千億円を達成し、中国市場での売上高は平均複合率9%を達成することが見込まれる。
▽改革で生き残りをはかる
消費者にとってみれば、製品のリニューアルは興味を引かれるものだが、業界関係者からみると、資生堂の今回の改革はブランドの格式と本質にかかわることになり、非常に深い意味があるという。中国で34年にわたり事業を展開してきた老舗日系企業である資生堂は、これまでずっと「穏やか」、「深遠」といったイメージで語られ、「変わらないことであらゆる変化に対応してきた」。だが藤原社長によると、今や「1つの新製品を発表して、全体の業績が上がるという時代は過ぎ去った。市場環境の変化に対応しようとするなら、ブランドの改革を進めなければならない」という。