春節(中国の旧正月。2016年は2月8日)がだんだんと近づき、帰省切符の争奪戦も白熱化している。家族や親せきが集う春節がまた巡ってきた今日この頃、故郷に帰る切符が「1枚さえも手に入らない」状況に頭を悩ませる人がいる一方で、毎年起こる「春節の苦悩」がまたやって来るのかと、複雑な思いを抱える人も少なからずいるようだ。中国新聞網が伝えた。
中国の伝統文化において、春節は一家団欒を意味する。しかし近年、「帰省恐怖症」という新たな単語が、春節が来るたびに注目を集めるようになった。故郷が近づくほど気持ちが落ち着かなくなる――。故郷を離れて奮闘している彼らは、帰省を前にいったい何を恐れているのだろうか?
〇「結婚の催促」が怖い:1980年代生まれの若者にとって春節の帰省で絶対に避けられない難関
浙江省出身で「85後」(1985年~1989年生まれ)の龔帥さんにとって、帰省が憂鬱な原因は、自分がまだ独身であることだ。彼は、今年も春節に帰省すれば、家族から結婚を催促されることは絶対に避けられないと感じている。彼が大学を卒業したばかりの数年前は、独身で帰省しても、別段恐怖を感じなかった。だが、年を取るにつれ、結婚を催促される圧力はだんだんと大きくなった。今年、家族は彼のために数回のお見合いを設定しているため、彼は絶体絶命のピンチに立たされたという。
龔帥さんは、膨大な数の独身族のひとりにすぎない。彼と同様、結婚の催促に押し潰されそうな若者は増える一方だ。そして。家族が集う春節が来るたびに、「帰省恐怖」は彼らに共通した心理状態となっている。