英ロイター通信の報道によると、ジンバブエのパトリック・チナマサ財務相は21日、人民元の現地での使用と流通を拡大する計画を発表した。仏AFP通信によると、ジンバブエのロバート・ムガベ大統領は22日、この措置に歓迎の意を表したという。ジンバブエ中央銀行は昨年1月、人民元を法定通貨として受け入れることを発表していた。現在ジンバブエで流通している主要通貨は米ドル。環球時報が伝えた。
ジンバブエ中央銀行は今月20日、中国人民銀行と協定を交わし、2016年年初より、人民元をジンバブエの法定通貨として流通させることを決定した。ロイター通信によると、チナマサ財務相は21日、「人民元の流通により、中国人は人民元での決済が可能になり、中国人観光客のジンバブエ訪問・消費が促進される。同時に、ジンバブエは人民元を使って中国からの借款を返済できるようになる」との見方を示した。AFP通信の22日の報道によると、ムガベ大統領は同日、「来年ジンバブエでの人民元の流通が拡大することは、通貨の流動性と経済発展の促進に役立つ。人民元がこのたび国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)の構成通貨に採用されたことは、我々にとって全く新しいチャンスと言えるだろう」と述べた。
ジンバブエでは1980年にジンバブエ・ドルの発行が始まった。しかし、同国政府が2000年に急進的な土地改革を断行したことで、西側諸国からの経済制裁を受けて財政赤字に陥り、ジンバブエ・ドルを無節操に発行。結果、ジンバブエ・ドルの対ドル相場が急速に下落した。2001年には100ジンバブエドル=1ドルだったのが、2009年には10の31乗ジンバブエドル=1ドルとなり、2009年4月、ジンバブエ政府はジンバブエドルを廃止することを宣言、米ドル、南アフリカランド、ボツワナプラなど外国の通貨を法定通貨とすることを決定した。2014年にはさらに、人民元、日本円、インドルピー、オーストラリアドルなども同国の法定通貨となった。現在、ジンバブエの理論上の法定通貨は9種類。一般市民が生活で主に用いているのは米ドルで、南アフリカに近いブラワヨなどの都市では南アフリカランドが使われている。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年12月23日