中国外交部(外務省)は3日、国内メディアを対象としたブリーフィング「中国領事保護とサービス―2015年の総括と2016年の展望」を開催した。外交部領事司の郭少春司長は「中国のパスポートの『クオリティ』が次第に向上しつつある。2015年、中国政府は国民の渡航が便利になるような協定や措置に関する覚書を多くの先進国と取り交わした」と話した。中国青年網が報じた。
中国のパスポートの「クオリティ」については、幅広い関心が寄せられている。郭司長はこれについて、次の通り紹介した。
2015年、中国政府はカナダ、英国、アルゼンチン、アイルランドなど18ヶ国と、国民の往来に便宜を図る協定や措置に関する覚書を前後して取り交わした。なかでも中国とカナダは、商務・観光・親族で両国を行き来する人々に最長10年のマルチビザを発給するという相互ビザ優遇策の合意に達している。タイやエジプトなど35ヶ国の国と地域は、中国国民へのアライバルビザ(入国地のイミグレーションで発給されるビザ)の発給を認めた。またインドネシアなど12ヶ国の国と地域は、一般旅券を所持する中国国民へのビザ免除での入国を認めている。
現在までに中国は106ヶ国と各種ビザ免除協定を、38カ国と62件のビザ手続簡略化協定・措置に合意している。アゼルバイジャン共和国は2月1日、一般旅券を所持する中国人を対象にアライバルビザを発給すると発表した。これにより、一般旅券を所持する中国人を対象にビザ免除あるいはアライバルビザ発給措置が適用される国と地域が合計53ヶ国となった。
郭司長は、「『ビザ取得が難しい』という状況は、以前と比べると大幅に改善された。ただし、一部の国家と地域においては、短期間のうちにビザ免除協定を締結することは非常に難しいと予想される。中国は今後も、諸外国との意思疎通を強化することで、信頼を深め疑念を払拭するような対外業務を展開していく方針だ。一方国内では、出国者のマナーを遵守した海外旅行への各種管理・指導業務のレベルアップを図り、中国人が全世界から歓迎される高い素養を備えた国民となるよう尽力する」と強調した。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年2月4日