商務部(商務省)の高虎城部長は23日に国務院新聞弁公室で行われた記者会見で、2015年の商務の発展状況を説明し、「2015年に、中国は社会消費財小売総額が30兆1千億元(1元は約17.1円)に達して、前年比10.7%増加し、社会経済の成長に対する消費の貢献度は66.4%になった。中国は投資と対外貿易による牽引を中心とした経済成長モデルから国内需要を中心とした経済成長モデルへ、とりわけ消費を中心とした経済成長モデルへの重大な転換の実現に成功した」と述べた。
国内消費が旺盛であると同時に、国内消費者の海外での大量買いも徐々に増えている。こうした現象をどのようにみるだろうか。
消費が旺盛な原因はさまざまある。高部長の分析によると、まず中国共産党第十八回全国代表大会(十八大)以降の都市部住民の所得の伸びが3年連続で国内総生産(GDP)の伸びを上回り、消費力が絶えず向上したことがある。次に社会保障体制の改善が進み、人々が消費に一層励むようになったことがある。さらに消費を取り巻く環境の改善が進み、健康のための消費や旅行消費といった新たな成長源が形成されたことがあるという。
中国では目下、中所得層と高所得層が形成されつつあり、ミドルクラス・ロークラスの商品およびサービスではこうした層の消費ニーズに対応出来なくなってきた。2015年の出国者数は1億2千万人、海外での消費額は1兆5千億元で、このうち少なくとも7千億元から8千億元が買い物に充てられた。買い物の主体で大きな割合を占めるのは中・高所得層で、以前のようなぜいたく品や高級ブランド品を中心とした消費から、質とコストパフォーマンスが高い日用品の消費へと様子が変わっている。高部長は、「商務活動における供給サイドの取り組みの重点は、自分にふさわしく、人と違うものを求める中・高所得層の消費ニーズを満たすことだ。供給サイドの取り組みでは主として商品の種類、価格、品質、安全性、ショッピング環境などの問題の解決を進める。たとえば商品の種類について考えると、中国で提供される商品の種類は20万~30万種類しかないが、先進国の有名スーパーでは70万種類以上だ。価格について考えると、高止まりする物流コストが大きな問題であり、下がってきてはいるが、それでもまだ先進国の2倍近い」と述べた。
また高部長は、「海外通販の発展に力を入れることで、家にいながら海外のものを買えるようにする」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年2月24日