中央経済政策会議で、企業の技術改造と設備更新を支援する方針が打ち出された。産業用ロボットは企業が技術改造を実現するうえで便利な道具となるが、中国の同産業の発展の現状はどうなっているのだろう?将来的にどの方面に力を入れるべきなのだろう?人民日報が伝えた。
▽中国の産業用ロボット、発展の潜在力は大きい
現在、産業用ロボットはロボット産業の中でも主流であり、産業界から最も重視されている。中国科学院瀋陽自動化研究所研究員の王天然氏(中国工程院院士)は「中国におけるロボットのニーズは急激に増加している。主な原因は人件費の上昇だ。ロボットの導入により生産効率を高め、長期的にはコストも節約できる」と語る。
ここ数年、中国のロボットニーズは大きく伸びている。中国は2013年には世界最大のロボット市場となり、2014年には中国での販売台数が世界全体の約4分の1を占めた。市場ニーズに後押しされ、中国のロボット産業も急成長を遂げている。中国ロボット産業連盟(CRIA)理事長の曲道奎氏は「現在中国にある比較的大規模なロボット開発区・産業パークは30以上に上る。ロボット関連の上場企業は100社を、ロボット関連の企業は1千社をそれぞれ上回る」と指摘する。
中国のロボット産業の発展は大きな潜在力を秘めている。世界では通常、労働者1万人当たりのロボット台数でロボットの普及水準を測る。中国はこの数値がわずか23台だが、日本や韓国では300台を超えている。
ロボット技術およびその応用は、将来の国際競争においても重要な戦略的価値を持つ。世界の主な国家はいずれも政策を打ち出し、ロボット産業の発展を奨励している。米国は「ロボット開発のロードマップ」を発表し、ロボットとインターネットを同じく重要な地位に定めた。EUは世界最大の民用ロボット研究開発計画を始動した。中国も現在ロボット産業の第13次五カ年計画(2016-2020)を制定中だ。 中国の今後10年の製造業発展計画「メイド・イン・チャイナ2025」は、ロボットと先端NC工作機械を10の重点分野に組み込んでいる。