2016年3月4日  
 

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日韓経済モデル転換のプロセスと啓示 (2)

人民網日本語版 2016年03月04日08:13

モデル転換は改革の推進と切っても切り離せない。既得権益層をうち破り、システムの改革を推進する上で、東アジアのエコノミーは進んだり止まったりして、歩みはバラバラだった。アジア金融危機の発生前、韓国は既得権益層と世論の影響を受けて、改革が形式に流れがちで、足踏みをすることが多かった。だが金融危機が発生すると、苦境の中で改革を推し進め、力を入れて取り組み、金融、企業、政府、労働の4分野の構造調整が大きな進展を遂げ、モデル転換と高度化に向けた道が切り開かれた。一方、日本は既得権益層に制約されて、調整は行われるものの進展には限界があった。大企業と主要取引銀行との関係、大企業と中小企業との関係、終身雇用制、年功序列などを変えることは難しく、改革推進の共通認識に達することができなかった。

こうした要因の影響により、日韓をはじめとする成功した追いつき追い越せ型のエコノミーのモデル転換は、10年以上もかかってやっと落ち着きをみせるようになった。挫折の中で経験を積み上げ、新しい成長モデルが徐々に形作られてきた。こうしたエコノミーのモデル転換後の成長モデルには目立った違いがあるが、いずれも高所得国の仲間入りするための支援が行われてきた。韓国の改革は相対的にみて徹底しており、科学技術イノベーションの能力が強化され、一連の新興産業が急速に成長し、サムスンをはじめとする科学技術誘導型の大企業が次々に誕生した。日本の優位性は工場での精密で行き届いた生産にあり、これはコスト引き下げと生産効率向上にはプラスだが、イノベーション能力の低さが、長期的な競争力の向上を制約してきた。

日韓をはじめとするエコノミーがモデル転換で遭遇した問題と課題、制度と政策の変化のプロセスは、中国が自国経済発展の新常態(ニューノーマル)を認識し、対応し、誘導する上で一定の参考になるもので、そこから次の5つの啓示が得られる。

(1)経済成長段階のモデル転換の規律性をしっかりと認識し、規律に対する畏敬の念をもって、先見性のある戦略計画を立てる。

(2)流れに従い目標実現に向かってマクロ政策を調整し、特に需要喚起型の政策によって達成が難しい高度成長を追い求めないようにする必要がある。

(3)深刻な生産能力の過剰を主体的に安定的に処理し、既得権益層をうち破り、再編する。

(4)環境を整え、見通しを誘導し、産業の高度化とイノベーション活動を積極的に推進する。

(5)成長の構造とエネルギーの転換を対応させ、企業、金融、財政、政府の管理態勢の系統的な改革を推進する。

日韓などのエコノミーの経験と教訓を真剣に検討し、これをくみ取って、中国経済のモデル転換期における後発組としての優位性を形成することが大切だ。(編集KS)

「人民網日本語版」2016年3月4日


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