李克強総理は政府活動報告の中で2015年の成果を振り返り、「科学技術分野では一連の革新的な成果が世界先進水準に達した。第3世代原発技術に重大な進展があり、国産大型旅客機C919が総組立を終えラインオフし、屠呦呦氏がノーベル生理学・医学賞を受賞した」と述べた。科学技術の成果のうち最上位に置かれた第3世代原発技術は、C919や屠氏と比べると、一般人にとって馴染み深いとは言えない。広州日報が伝えた。
「華竜1号」は中国が独自に開発した第3世代原発技術で、中国核工業集団のACP1000、中国広核集団のACPR1000+などの技術を融合した。中国は英国、アルゼンチン、パキスタンなどの国と、原発協力協定に調印している。原発は世界に進出する中国のハイレベル製造業の「名刺」になっている。
全国政治協商会議委員で、中国核動力研究設計院院長の羅琦氏は取材に対し、「福島原発事故が記憶に新しいが、福島原発の技術は1960−70年代の第1世代のものだ。中国の第3世代原発技術は、安全性で飛躍的な向上を遂げている。第3世代原発技術の耐震性は、中国最高クラスの地震に耐えられ、余裕があるほどだ。また大型機の衝突にも耐えられ、停電時も安全を保障できる」と説明した。
全国政治協商会議委員で、中国広核集団董事長の賀禹氏は、「福島原発事故の前から、華竜1号では多くの安全検査を行っていた。福島原発事故後はさらに改良を進め、従来よりも性能を高めた。原子炉がメルトダウンする確率、原発事故後の放射性物質の環境への影響は、原発技術の重用な2つの指標だ。第3世代原発技術のメルトダウンの確率は、第2世代の100分の1以下で、安全性が大幅に向上している」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年3月10日