それでは、シリア問題特使の任命はシリア問題における新たな動きを意味するのだろうか?
李氏によると、特使任命はシリア危機の政治的解決プロセスにおいて中国がさらに大きな役割を発揮することを示すものだ。今年初め、習近平国家主席は中東3カ国を訪問し、アラブ連盟本部で重要演説を行い、シリア問題における「3つのノー」の立場を明らかにした。すなわち代理人を求めず、勢力範囲を求めず、「空白」を埋めることを求めないというものだ。「中国は現在のシリアおよび中東において『帝国の利益』を求めない唯一の大国だと言える。中国の立場に賛同する現地の国は増えており、中国が中東でさらに大きな役割を発揮することを希望してもいる」。
王林聡氏によると、中国はシリア問題特使を通じて、安保理第2254号決議の実行を積極的に推進するとともに、ロシア、米国、欧州および中東諸国との意思疎通と調整を一層強化し、シリア問題の政治的解決の前進を揺るぎないものにし、推し進める。特使任命は、今後中国がシリア各者間の調停を強化し、シリア国民の自主的な選択を十分に尊重したうえで、政治的和解および政治的移行の道筋と方法を探ることを意味してもいる。今後、情勢の変化に基づき、中国側はシリア問題の政治的解決の新たな案と段取りを打ち出す可能性がある。中国はシリアに対する人道支援活動もさらに推進する。
簡単に言えば、シリア問題特使任命の目的は和平と対話を促進する役割をより良く発揮し、中国の知恵と案をより積極的に示し、関係各者との意思疎通と調整をより効果的に強化し、シリア問題の最終的で適切な解決に引き続き建設的役割を発揮することにある。
シリア問題特使に任命された解氏は経験豊かな外交官で、駐イラン大使、駐エチオピア大使、駐アフリカ連合代表を歴任し、中東問題を熟知している。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年3月31日