南中国海でパトロール任務を遂行中の中国海軍の哨戒機が17日に南沙(英語名スプラトリー)諸島の永暑(英語名ファイアリー・クロス)礁に緊急着陸し、重病の労働者3人を海南省三亜市まで搬送した。これは国際的慣例に完全に合致するものだ。だが米国防総省報道官は中国が民間機ではなく軍用機を使用した事をいわれもなく非難した。米側のこの姿勢表明は南中国海で「中国を見れば必ず反対する」悪い習慣を再び明らかにし、その喧伝する「普遍的価値観」の虚偽性も暴露した。(文:張軍社:海軍軍事学術研究所研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
軍用機が災害救援に加わり、人道支援を行うこと、また民間人を退避させることは世界各国で広く行われていることだ。「戦争以外の軍事作戦(MOOTW)」という言葉は米軍が最初に考案したものだ。米軍の「作戦綱要」はMOOTWについて、人道支援、災害救援、非戦闘員の退避、国内地方政府の支援などを挙げている。米国は米同時多発テロやハリケーン・カトリーナの被害の後にも軍隊多数を動員して救援を行った。2014年にマレーシア航空MH370便が消息を絶つと、米国を含む複数の国々が軍艦や軍用機を迅速に派遣して捜索活動に加わった。中国海軍は南沙諸島周辺海域で任務に当たっていたミサイル護衛艦を南中国海南部に緊急派遣して捜索活動に加わった。従って、今回米側が中国機の正常な人道救援についてとやかく言うのは説得力がない。
今回の米側の中国に対するいわれなき非難は、その極力崇める「普遍的価値観」の精神に明らかに反するものだ。米側が長年鼓吹しているいわゆる「普遍的価値観」の核心は、いわゆる「民主、自由、人権、平等」などだが、最も重要な人権は「生命権」だ。だが皮肉なことに、中国国民の命が危険なときに、米側は民間機ではなく軍用機を使用したことを問題視した。甚だ不適切な指摘だ。
一時期から、米国は中国が南沙諸島の自国の領土で行う正常な建設活動にいわれなき非難を加え、さらには渚碧礁灯台の建設による周辺海域の航行支援、通航管理、緊急捜索救難能力の向上という事実に対しても、「地域情勢の緊張を一層激化させる恐れがある」として中国の顔に泥を塗っている。これは米側の「ダブルスタンダード」を明らかにするだけでなく、「中国を見れば必ず反対する」悪い習慣の根深さを改めて暴露するものだ。