2016年5月31日  
 

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「福島をめぐる疑問」に日本は答えるべき

人民網日本語版 2016年05月31日16:29

車を走らせ、福島第一原子力発電所から約40キロ離れた飯館村を訪れると、そこには映画に出て来るような「ゴーストタウン」の風景が広がっていた。人の姿はほとんど見えず、雑草が生え放題になり、汚水だらけで、カラスの声がむなしく響き渡っていた。雑誌「瞭望報道週刊」が伝えた。

プロカメラマン・飛田晋秀さんはこれまでに30回以上被災地を訪問し、その様子をカメラで記録している。被災地にカメラを向ける際、飛田さんの目には涙があふれ、心には憤りの思いがふつふつと沸いてくるという。

飛田さんに憤りを感じさせているのは、福島第一原子力発電所事故発生後、甲状腺ガンを患う被災者が増え、苦しみと孤独に耐えているにもかかわらず、助けが全くないからだ。2015年年末、岡山大学の津田敏秀教授らの研究グループが、国際環境疫学会が発行する医学雑誌「Epidemiology」で発表した論文によると、原発事故による放射性物質の大量放出の影響で、甲状腺ガンの発症率が、福島市と郡山市の間で全国平均の約50倍、福島原発周辺地域で約30倍、少ない地域でも20倍となった。そして、「統計学的な誤差の範囲もはるかに超えており、今後さらに多発することは避けられない」と指摘している。ところが、同論文発表後も、今に至るまで日本政府や福島県は同問題を重視しておらず、それどころか反論や批判さえ起きている。

今年1月、「国際環境疫学会」は、福島県の調査で、事故当時18歳以下の子供の160人超に甲状腺ガン患者(疑い例を含む)が確認されていることについて、日本政府と福島県に詳しい調査や事故とがんの関係についての解明を求める書簡を送り、現状を「憂慮している」と述べた。それでも、調査要請に対する積極的な回答もないまま、このニュースは消え去った。


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