英国の貿易の紐帯もEU離脱で損なわれることになる。張氏は、「EU離脱はEUとその他のすべての国との間で締結された貿易条約が英国に適用されなくなるということで、英国はこれらの国々と長い複雑な貿易交渉を始めなければならなくなる。英国は今後、EUが目下、米国、日本、インドと進めている貿易交渉の恩恵を受けられなくなり、英国の多国間貿易交渉は、米国のオバマ大統領の言葉を借りれば、『列の最後に並ぶことになる』」と述べた。
国際通貨基金(IMF)も、「EUから離れることは英国に巨大な経済的損失をもたらし、さらにはグローバル金融センターとしてのロンドンの地位にも影響し、波及効果でEU経済にも影響を与えることになる」との見方を示す。
有名投資家のジョージ・ソロス氏は、「23日の国民投票で英国のEU離脱が決まれば、一連の連鎖反応を引き起こす可能性がある。中でも最も重要な影響は、ポンド資産が投げ売りされ、英国の世帯収入が激減し、新たな衰退を引き起こすということだ」と警告を発した。
▽本当にEU離脱しても、経済への影響は短期間のみ
中国人民大学財政金融学院の趙錫軍副院長の説明によると、「英国国内では多くの人が、EUは英国の発展にいささかのメリットももたらさなかっただけでなく、英国の権利を制限し、英国経済に(マイナスの)影響を与えたと考えている」という。
英国のEU離脱派は、EUは米国、中国、インドなどの重要エコノミーと自由貿易関係を樹立しておらず、英国とこうした国々との貿易が影響を受けている。EU経済の長期的な低迷が英国・EU間貿易の発展にとてマイナスになっており、英国は新たな貿易市場を開拓する必要に迫られている、との見方を示す。
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