2016年9月22日  
 

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日本で活躍する中国人作家・毛丹青 「来日方長」を手に再出発 (2)

人民網日本語版 2016年09月22日13:19

日本での30年間を振り返る

「1匹の魚を売るのは1本の作品を書き上げると同じくらい楽しかった」

毛氏は日本に留学してから、魚やエビを売るビジネスや遠洋漁業、会社員と職を転々とした。そして会社をすぐに辞めると失業保険だけで生活していた時期もあったという。最終的には自分の気持ちを落ち着かせて日本で感じたことを日本語で記録するようになり、思いがけず、日本文学界で頭角を現すようになった。毛氏は日本滞在の30年間で最大の収穫とはまさにこれまでに繰り返された転身にほかならないと語った。

毛氏は自分の学習や職務経験が毎回転身の決断をする際に大いに役立ったとし、日本での30年間の滞在を振り返り、「悔いはほとんどない。たとえ生活が苦しくても、終始ずっと心の平静を保ち続けることができた。仮想世界よりも現実世界が勝っていたあの時代、1匹の魚を売るのは今1本の作品を書き上げるのと同じくらい楽しかった」と語った。

若者や文学に対するメッセージ

多くの日本の若者に中国の日常と文学に興味をもってもらうべき

毛氏は日本の大学で教鞭を取ってすでに7年になるが、同時に中国国内で若者たちと共に「知日」や「在日本」などの雑誌を刊行している。中国と日本の若者の違いについて毛氏は「今の中国の若者が日本を知ろうとする勇気、知恵、願望は日本の若者が外国を知ろうとする情熱を遥かに超えており、また彼らの両親の世代の人々にすら遠く及ばないだろう。しかし我々は日本の若者を批判するのではなく、彼らに手本を見せるべきだ。日本の若者に冷静に心を落ち着けて相手の国やその日常生活、風土、人生に目を向けるべきだと教える必要がある」と語った。

毛氏は中国の現代文学が日本市場でほとんど取り上げられないことを残念に思っているとし、「現代文学はすでに多くのソーシャルメディアや文化といったルートで分解されているが、とても面白くまた喜ばしい現象として、中国の若手作家のSF小説が世界からますます注目を集めている点だ。2012年に莫言氏がノーベル文学賞を受賞し、中国文学全体を向上させ、日本の読者に改めて中国文学を知らしめる機会となった。これを促進させていけば、より多くの日本の若者に中国の日常に興味を抱かせ、中国文学も日本の読者に広く認められると信じている」と語った。

過去に毛丹青氏は中国文学者の吉田富夫教授を作家・莫言氏に紹介し、莫言氏の作品を日本語に翻訳して日本で紹介している。

毛氏は作家としてだけではなく、中日文化交流の使者としても活躍している。莫言氏は彼を称賛する文章の中で「私の日本という夢の世界では常に毛丹青という一匹の魚が泳いでいる。彼は花柄の中国服に赤いズボンという格好で、まるで一匹のきれいな熱帯魚のようだ。日本という海原を自由に泳ぎ回り、その泳ぐ姿はもしかしたらほとんどの日本人よりも目立っているかもしれない。それほど遠くない将来、彼の泳ぎは多くの人の注意をひきつけるだろう。つまり、比喩の世界では魚を惹きつけ、現実の世界では人々を惹きつけることになるだろう。泳げ、泳げ、泳げ、魚の毛丹青、毛丹青魚よ」としている。

毛氏は莫言氏や余華氏などの作品を日本に紹介し、積極的に中日の文学交流を図っている。莫言氏と大江健三郎氏の夢の対話と実現させてからもこの「毛丹青魚」は泳ぎ続けている。最後に毛氏は「今後日本の文学者、哲学者、思想家を中国に招き、日本人に中国の姿を描かせて、多くの日本人に見せたい」とその思いを語った。(編集YK)

「人民網日本語版」2016年9月22日


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