中国ではVR(バーチャルリアリティ)の応用範囲が拡大し続けていることを背景に、優れたVR産業生態圏が構築されつつある。中国のVR技術とその応用は、世界の最高レベルとの距離を縮めており、市場規模も拡大を続けている。2021年までに、中国のVR市場は世界最大規模となり、業界は790億2000万元(約1兆3433億円)規模になると予想されている。経済日報が報じた。
今月9日、山東省青島市で開催された世界バーチャルリアリティイノベーション大会で、中国工程院院士で、バーチャルリアリティ産業聯盟の趙沁平・理事長は、「中国のVR技術とその応用は、世界最高レベルとの距離を縮めている。一部の分野では、追いつき、並走するようになっている。約30年の追走を経て、中国のVR技術は世界最先端のレベルに近づいており、大衆娯楽や文化、観光、教育、スマート都市、器材の研究開発、医療など多くの分野に応用されている。医療や教育、娯楽の分野では、世界と並走する立場になっている」との見方を示した。
ただ、多くの専門家は、中国のVR産業はまだ海外と比べるとまだ差があると考えている。例えば、趙理事長は、「中国のVR産業はCPU、マイクロチップなど、重要なハードウェアの分野でまだ海外と差がある」とし、中国工業・情報化部(省)電子情報司の喬躍山・副司長も、「その差は、高品質のバーチャルリアリティコンテンツの応用が不足している点や、産業の生態がまだ成形されていない点、産業チェーンの協力が不十分である点などに表れている」と指摘する。
趙理事長は取材に対して、「中国のVR応用の幅広さは世界でも上位にあり、中国がVRの面で世界と並走するための基礎を提供している。また、並走し、先頭に立つための優位性もそこにある。政府の政策サポート、企業の強力な資金投資が続き、実験室、大学、ハイレベル人才、企業からなる生態圏が形成されれば、中国のVR産業の前途は明るい」との見方を示した。
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