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G7にはどれほど将来があるのか

人民網日本語版 2018年06月14日11:17

途中退席し、首脳宣言を拒否する……トランプ米大統領の行動によって、G7が示そうとした脆い団結は崩された。カナダでのG7サミットがそそくさと閉幕し、かつての盟友たちは物別れに終わった。今回のG7サミットによって、米国と西側の盟友との溝が浮き彫りになった。人民日報海外版が伝えた。

■かつてない分裂

英ロイター通信は11日、米国の鉄鋼・アルミニウム関税措置に対してEUが報復措置を取ることを報じた。メルケル独首相は、カナダと同様、EUは世界貿易機関(WTO)のルールに従い、米国の鉄鋼・アルミニウム関税への対応措置を定めつつあると表明した。彼らはG7首脳宣言の問題におけるトランプ大統領の「ちゃぶ台返し」に遺憾の意を表した。

カナダ・ケベック州でのG7サミットは首脳宣言を採択して9日閉幕した。だが、その後まもなく、トランプ大統領はツイッターでカナダのトルドー首相について「サミットでは謙虚で穏やかに振る舞っていたが、自分が去った後に米国の関税はカナダへの侮辱であり、カナダが振り回されることはないと述べた」と糾弾。「トルドー首相の発言及びカナダが米国の農家、労働者、企業に重税を課している事実に基づき、首脳宣言を承認せず、米国市場に入る自動車への徴税を検討するよう米側代表に指示した」とした。

そしてこれは、最近深刻化するG7の溝の氷山の一角に過ぎない。

ホワイトハウスは5月31日、トランプ大統領が猶予期間を延長せず、6月1日からカナダ、メキシコ、EUに対して鉄鋼・アルミニウム関税を課すことを決定したと発表した。この決定にEUとメキシコは即日反発した。

その後、G7に暗雲が立ち込めた。サミット前にマクロン仏大統領はツイッターで「米大統領は孤立しても構わないようだが、必要ならわれわれは6カ国合意に署名しても構わない」と仏語と英語で発信した。トルドー首相はトランプ大統領が首脳宣言からの離脱を宣言した後、7月1日に報復措置を取ることを明らかにした。

「サミットでの言い争いで、トランプ大統領は西側を危機に陥れた」。米CNNは10日、G7サミットの「厳しい」結末によって、大西洋を跨ぐ同盟がかつてないほど分裂していることが示されたと報じた。

■同盟維持は困難

「トランプ大統領が短期内に譲歩する可能性は小さい。大統領選での約束の実現に影響を与えるからだ。トランプ大統領は米国の国益と経済的利益をリンクさせ、国内の支持層に目標を定め、彼らのニーズを満たすことで、力強い指導者のイメージを形作っている」。中国国際問題研究院欧州研究所の崔洪建所長は「西側の盟友もこの現実をすでに明確に認識している。現在彼らにとって比較的現実的な期待は、トランプ政権がさらにひどくならず、他の問題でも反旗を翻さないことだ」と指摘する。

ドイツメディアは5月末、米商務省が米国の利益を損なっていないか確認するため、輸入自動車及び同部品に対する「232条調査」の発動を発表したと報じた。この情報に、ドイツや日本の自動車業界はたちまちざわついた。米国が自動車に対して一層の貿易圧力を加えた場合、西側の盟友はさらに深刻な打撃をこうむる。

G7にとって最も厳しいのは自らの将来だ。舌戦を繰り広げたうえ、貿易関税をめぐり本当に一触即発の状態となった後、G7の将来はどうなるか?「G7の将来に疑問符がついた」と英紙フィナンシャル・タイムズは報じた。

中国人民大学国家発展戦略研究院の李巍研究員によると、G7は西側世界全体の分裂による影響を大きく受ける。今後一定期間、トランプ政権は対外政策で引き続き高度の柔軟性を保ち、情勢の変化に応じて手段を変えるだろう。具体的には、対露関係改善の必要性を考え、欧州の盟友との関係緩和に短い間に余り大きな力を入れることはない。反対に、アジア太平洋地域の一連の試練のために、日豪など地域の盟友とは関係強化を重視するかもしれない。

独誌「国際政治」によると、欧州の繁栄さらには政治体制は依然として米国に大きく依存しており、こうした依存から脱却したいのなら極めて高いコストを引き受けなければならない。したがって欧州にとっての核心的要請は依然として、米国を長く欧州に留めることだ。

「G7では現在も他の西側諸国は比較的受動的だ。感情的にはトランプ大統領と付き合いたくないが、理性的には米国を引き留めざるを得ない」。崔氏は、他の西側諸国は今後もG7の形を維持しようとするだろうと考える。「こうしてのみ、自信を強めることができる」。(編集NA)

「人民網日本語版」2018年6月14日

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