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実録・西日本豪雨 被災地は物資や緊急支援が届かない「陸の孤島」に

人民網日本語版 2018年07月13日15:44

広島県呉市に住む山本さんは11日、「災害発生後、主要な鉄道や幹線道路は一時全て寸断され、ここは名実ともに『陸の孤島』と化した」と話した。新華社が伝えた。

呉市は、今回西日本を襲った豪雨・洪水による災害の被害が最も深刻な地域の一つだった。連日の豪雨によって土砂崩れや土石流が発生、17人が死亡し、多数の行方不明者がでた。現在はボートがこの地と外部を繋ぐ唯一の手段となっており、緊急物資は非常に不足し、救援プロセスも極めて緩慢な状態だという。

呉市は広島県南部に位置し、市内で最も被害が大きかったのは天応西条地区だった。ここは、南側が海に面し、東・西・北の三方が山に囲まれ、多くの住宅が山沿いに建てられている。高い場所では、多くの民家が土砂に流され、住宅の残骸が至る所に散乱している。低い場所の住宅・土地は、人の背の高さを上回るほどの土砂に埋没し、自動車のほとんどがその最上部だけがわずかに顔を出しているという状態で、道沿いには、折れた木や石ころが随所に見られ、その光景には目を見張るしかない。

高齢の住民たちは、「これほど深刻な災害には、生まれてこのかた遭ったことがない」と口をそろえる。ある人は、「6日夜は土砂崩れと土石流のダブルパンチとなった。土石流と洪水が、沿道の民家と道路を全て巻き込み、地域全体が土砂に埋まり、多くの住民が犠牲になった。今も、5、6人が行方不明のままだ」と話した。

消防隊員や警官、自衛隊員で構成された救援チームは今もなお、行方不明者の捜索活動に全力で取り組んでいる。だが、被災地の家屋の損壊が深刻で、泥に埋まっている上、30℃以上の暑い天気が連日続いていることから、捜索・救出活動は難航を極めている。救援隊員は、住民が行方不明になったとみられる場所をシャベルで掘り起こすという作業しかできず、作業は遅々として進まない。ある消防隊員は、「現在、各救援チームの計40人ほどが、現地で捜索活動にあたっている。一刻も早く行方不明者を探し出したい」と語った。

現場には、自主的に災害の後処理に携わる多くの住民とボランティアの姿があり、彼らによって大量の泥が小さな手押し車で住宅内から運び出されていた。現地に住む吉本さんは、「地元の役場と救援チームは、行方不明者の捜索と救援物資の輸送を優先しているため、うちのように自宅が泥に埋まった被災住民を助けるゆとりがないのが現状だ。だが、たくさんのボランティアの方々が我々に手を差し伸べてくれて、被災した家の片づけを手伝ってくれている」と話した。

応急補修によって通行が再開された道路区間もあるが、本来なら30分ほどで到着できる距離でも、5時間以上かかっている。そのため多くの住民は、ボートを利用して食料や飲み物を調達している。現地のスーパーでは商品の在庫が激しく、多くの住民が朝一番で店を訪れ、先を争うように必需品を購入している。

天応西条地区の電力はすでに復旧しているが、広い範囲で断水が続いている。現地の役場とボランティア団体は、公園や学校などの公共施設で給水を実施している。住民の山下さんは、「飲用水のほか、生活用水にも事欠いている。災害後、水がないため洗濯やトイレの使用ができなくなっており、日常生活に不便をきたしている」と話した。(編集KM)

「人民網日本語版」2018年7月13日

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