▽CRTPPは徐々に進行
この2日間、日本は大忙しだった。EPAの調印が終わったと思ったら、一息つく暇もなく、翌日には「包括的および先進的環太平洋経済連携協定」(CRTPP)の交渉のテーブルに着いた。日本のNHKの報道によると、米国を除くTPPの参加11ヶ国は18日、日本の神奈川県箱根町で首席交渉官会合を開いた。
協定の規定によると、11ヶ国のうち6ヶ国が国内手続きを終わらせれば、TPPは60日後に自動的に発効する。すでにメキシコと日本が国内手続きを終えており、日本は予定通り2019年に発効することを目指す。このCRTPPは明確なシグナルを発している。「一致団結して自由貿易を推進し、保護貿易主義的政策をとるトランプ政権を牽制する」というシグナルだ。
経済に正しい軌道を外れる「オフ・トラッキング」はあり得ず、グローバル化が主旋律であることは変わらない。日本を取り巻く地域では、CRTPPだけでなく、ペルー・オーストラリア自由貿易協定(PAFTA)や太平洋同盟といった複数の多国間貿易交渉が平行して進められている。日・EU間の協定調印にしろ、CRTPPの交渉加速にしろ、そこには日本の影が色濃く差している。
中国社会科学院日本研究所の張季風所長は、「CRTPPとEPAは同時進行で進められている。CRTPPをみると、トランプ大統領がTPP離脱を実行するまで、日本は米国の後ろにいて、米国のグローバル戦略を出発点とし、中国を包囲しようとしていた。経済面ではTPP加盟をてこに日本国内の経済改革を進めようとしていた。米国の離脱後も、中国を包囲し、経済改革を進めようとの狙いは実は変わらず、これは日本がCRTPPの維持に全力を注いできた理由の一つでもある。日本とEUにはある程度似通った事情がある。大きな戦略的視点から出発し、EPAが発効すれば、米国を牽制すると同時に、中国とロシアに対抗し、インドと太平洋諸国も巻き込むことが可能になる」との見方を示す。
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