華大基因は深セン国家遺伝バンクで10日、これまでで最大規模の中国人ゲノム学ビッグデータ研究成果を発表した。これは中国人科学者が2年間にわたり主導し、中国人14万人以上の非侵襲的出生前遺伝学的検査 (NIPT)データの研究を掘り下げ、初めて中国人の遺伝的特徴を明らかにした科学研究成果となる。また華大基因が主導する「百万人遺伝子ビッグデータ研究」プロジェクトの初の成果でもある。科技日報が伝えた。
今回の研究で、華大基因の研究チームは904万の多形性ポイントを含む中国人遺伝子頻度データバンク(CMDB)の構築に成功した。うち約20万の多形性ポイントは初めて発見された。これは現在まで正式に発表されている最大規模の中国人遺伝子頻度データバンクとなる。
研究チームは地域・緯度で強い自然選択を受ける6つの遺伝子を確定した。これらは遺伝子頻度で南北の大きな差を示した。飲食や気候、病原体などの環境要素が、中国人の進化に及ぼした選択の影響が十分に示された。
例えば古代、北方や西北などの地区(新疆ウイグル自治区、青海省、内モンゴル自治区)などは野菜の摂取が比較的困難であったため、人々は肉の摂取量が高かった。そのため脂肪代謝率を促進する対立遺伝子が、これらの地域では密集する傾向がある。
また、体の免疫機能と関連する赤血球膜C3bレセプターは、南方に密集する傾向が見られた。古代中国の南方は過酷な自然環境で、病原微生物、特にマラリアが流行していた。そのため同地域で生存する人々は、高い免疫力を持たなければならなかったためと見られている。
また耳垢が乾燥しているか湿っているか、体臭(ワキガ)、大汗腺分泌などに関連するABCC11遺伝子も、南北で大きな選択の差があった。広西チワン族自治区と広東省、海南省の一部の中国人にはこれらの遺伝子の突然変異は見られないが、その他の北方の温帯気候地域で暮らす圧倒的多数の人にはこの遺伝子の突然変異がみられた。その結果、耳垢が乾燥し、体臭が少なく、大汗腺分泌が少なめになっており、それにより北方の生存環境に適応できるようになっている。南方ではこの自然選択のプレッシャーが無いため、野生型遺伝子が長期的に引き継がれていた。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年10月11日
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