第3四半期の経済成長率について、市場には楽観的とはいえない予想が多く出ている。現実はまるでモディ首相を「5年以内にインドを5兆ドル(1ドルは約108.6円)規模のエコノミーにする」との目標から遠ざけているように、ますます遠ざけているようにみえる。
翻って中国をみると、IMFの試算では、09-18年の世界のGDP成長への寄与度は34%にも達するという。1997年のアジア通貨危機、08年の米サブプライム問題が引き起こした世界の金融危機の中で、中国は激流の中でも微動だにせず、世界経済が再び大恐慌に陥ることを回避した。
IMFは今後の経済情勢について、「今年の中国経済は6.1%の成長率を達成し、引き続きグローバル経済の伸びを牽引する主要パワーになる」と予測する。
向上を続ける中国の質
世界の国々と比較するだけでなく、中国の第3四半期の主要指標を子細に検討するとわかるのは、成長率は鈍化したものの、経済発展の質と効率が安定的に上昇したことだ。
工業・情報化部(省)が発表したデータでは、今年第1-3四半期の全国の一定規模以上の工業企業(年売上高2000万元以上の企業)の付加価値額は同5.6%増加し、年間目標の範囲内に収まり、工業の構造調整、新原動力の成長の2つの経済指標はいずれも好調だった。
中でも新原動力が大きく育ち、産業の基礎的能力と産業チェーンの水準が向上し、製造業の発展のパワーが増強を続けた。
今年第1-3四半期に、ハイテク製造業への投資は同12.6%増加し、製造業の技術改良への投資は同8.9%増加し、いずれも製造業全体の投資増加率2.5%を大きく上回った。